我が子の教師の手腕の凄さ③
我が子のクラスは、その問題児ばかりの学年の中でも、選りすぐりの問題児の集まった、個性あふれるびっくりするようなクラスでした
発達障害や学習障害の子も多そうだし、髪を染めた様な子も沢山いる
その辺にはなかなかいなそうな、変わった趣味を持った子や変わった子が沢山いました
卒業証書を担任の先生から生徒が受け取って、親や皆の前で子供達が話します
自分の趣味の事やそれを受け入れてくれたこのクラスの皆に感謝の言葉を言う子が多かった様に感じます
「小学校6年間は楽しくなくて、中学校に入っても2年間は楽しく無かったけど、義務教育最後の1年がこのクラスで楽しかった」 「このクラスだから、学校に来れた」 「初めは友達も居なくて最悪だと思ったけど、最高に楽しかった」 「変わった人ばかりで見てて飽きなかった」 「学校に早く行きたいと思えたクラスだった」
そして我が子も「たまにしか来なかったけど、話してくれて嬉しかった」と言った
そこで、私も先生も笑顔から涙が溢れた
1ヶ月前、「学校に別室でも通えればいいね、卒業式だけでも出れたらいいな」と先生は言った
1週間前に我が子が出ると決めたと言った卒業式でも、当日まで出れるか分からなかった
でも、多分そこで我が子に迷いは無かったんだと、卒業式の日に分かった
このクラスのこの雰囲気と、それを作り上げた先生を我が子は信じたのだと知った
卒業式の後で、「このクラスは行事になると団結力が凄い、初めは先生だけが頑張っているけど、先生に引っ張られて途中からどのクラスよりも盛り上がる」と我が子から聞く事が出来た
先生はこの個性あふれる子供達をそのまま受け入れたのだと、ひと目見て分かる
皆が自由で、それでいて皆が寛容だ
人との違いを楽しんで、認めて、尊重して、一緒にいる
周りがやるからやるんじゃなくて、やりたくなる迄待っているのかもしれない
規則があるから守るんじゃなくて、その規則が必要だから守って欲しいと伝える
規則があっても、やらなくていいと先生が思えば、やらなくていいと言ってしまう先生達なのかもしれない
なんて思う
こんなクラスとこんな担任の先生だったからこそ、我が子は最後の1ヶ月を学校に通うと決め、卒業式に出たのだと思う
そして、卒業式の後も卒業式で歌った歌を口ずさむのだと思う
日本の義務教育でも、こんな教育が出来るんだなあと関心したし、この学年とこの先生達に出会えた事に感謝したい
問題児ばかりの学年では無くても、こんな教育が出来れば、素敵な子供達が育っていくのかもしれないななんて思った
それにしても、この担任の先生は凄い
この人数のこのパワーを受け止められる人間がいる事が凄い
私なんて、我が子のパワーだけでもクタクタだ
当日は、何も言えなかったが、落ち着いたらお礼を言わなければと思った
個性を受け入れる教育ってどんな感じか?どうすればいいのか?とここ何ヶ月かずっと考えてきた
そんな理想論は実現できるのか?とか、実際はどうなるのか?なんて、想像ができるものではなかった
ちょっと破天荒だけど、このクラスみたいな感じが、そんな教育なのかなって思えた
誰でも出来そうな教育ではない
どこでも出来そうでもない
実際受け入れてくれる親ばかりでない事も想像できる
素敵な教育だけど、実際はまだまだ手の届かない教育なのかなと実感した